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2年目の誓い。

2014.05.19

「モノづくり」の仕事をしていると、たびたび、
「センスが良い人は羨ましい」
という、お褒めの言葉をいただきます。また一方で、
「良いデザインが降りてくる」
などという作り手からの言動を耳にします。最近になって、私にはこれらが違和感を伴って聞こえてしまうのです。

先天的な「センス(感覚)」や、あたかも「降臨せしアイディア」などというモノでこの仕事がクールに全うできるのであれば、これほどに悩み、苦労して設計・施工をしていないはず。
いわゆる「天才」的な発想のみを指し、その仕事っぷりを称賛(誇示)するやり方、私はこれを「雑な評価(自己評価)」としか捉えられないのです。
では、センスでなければ、何がモノづくりを司るのだろうか。
月並みですが、…

「努力」「情熱」「経験」

だと考えます。
例えばお庭をひとつ作るということは、

お施主様が「努力」「情熱」「経験」によって稼いだ大切なお金で
職人さんが「努力」「情熱」「経験」によって美しく頑丈に作り上げるために、
デザイナーが「努力」「情熱」「経験」によって分かりやすく指し示し、橋渡しをし、見届ける。

という共同作業であって、その誰もがそのお庭を作る1スタッフであり、また、この3者が共に満足して初めてそのモノ作りは成功なのだな、と、常々感じるわけです。
この便利な時代、設計でも商談でも、手間と時間を削減する為のアイテムもシステムも、様々に存在します。
けれどもそれらは同時に、努力も情熱も経験も、削減してしまうのでは・・・と懸念しています。

だから私は、体力を削るような泥臭くてアナログな生産、そして2者との生々しい対話を続けたいと思う。

だから私は、モノづくりが好きなのだと思う。

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